はじめに
こんにちは！
もしあなたが20代で未経験の職種で再就職を考えているなら、
といった不安を抱えているかもしれません。
でも、心配しないでください。
企業は20代の若者の可能性に大きな期待を寄せています！
とはいえ、実際に未経験や無資格で苦戦するケースがあるのも事実です。
そんなとき、強い味方になってくれるのが
ハローワークの職業訓練です。
国が力を入れている、この職業訓練という魅力的な制度を活用することで、必要なスキルや資格を身につけ、自信を取り戻しながら新たな一歩を踏み出せます。
20代と再就職の現状
最新の厚生労働省の報告書によると、20代の転職率は他の世代と比較して高い傾向にあります。
さらに男性の場合は、転職後に年収が増加するケースも多いことが分かっています。
一方で、再就職は必ずしも容易ではありません。
20代の転職経験者が再就職のために、平均6.41社に応募しているというデータは、一定の努力が必要であることを示しています。
また、日本特有の新卒一括採用の文化が20代の再就職活動の壁になることもあり、
「一度就職のタイミングを逃すと不利になるのでは？」
という不安を抱える人も少なくありません。
しかし、20代は挑戦する意欲とポテンシャルを備えた世代です。
その意欲を実現するためには、
自分に誇れる「武器」を持つことが重要です。
未経験から再就職につながる職業訓練
職業訓練は、未経験の方でも短期間で実践的なスキルや資格を習得できる環境が整っています。
同じ目標を持つ仲間と協力しながらスキルアップできるため、不安を抱えている方でも安心して再就職への一歩を踏み出すことができます。
今回は、特に20代の若者が、未経験から再就職を目指す際に役立つ職業訓練の魅力や具体的な活用方法を詳しくご紹介します。
第1章: ハローワークの職業訓練とは？
2. 職業訓練の目的と対象者
ハローワークが提供する職業訓練には、以下の2種類があります。
再就職のために、専門的な知識や技術を習得することを目的としています。
例えば、製造業、IT、介護などの長期的な技術習得が含まれます。
主に、失業保険（雇用保険）を受給している方向けの訓練です。
受講料は無料で、幅広い職種の訓練コースが用意されています。
就職を支援するために、基礎スキルや実践的スキルを短期間で習得することを目的としています。
例としては、医療事務、販売、簿記などの基礎的な職業訓練があります。
主に、失業保険を受給できない方、たとえば、フリーターや専業主婦、これまで就業経験のない方などが対象です。
こちらも受講料は無料で、さまざまなコースが選べます。
求職者支援訓練ではハローワークの支援が手厚く、就職活動のサポートが充実している点が特徴です。
1.公共職業訓練と求職者支援訓練には、それぞれ特徴や対象者の違いはありますが、訓練分野が明確に分かれているわけではありません。
どちらの訓練でも、介護やIT、事務関連など、多岐にわたる分野のスキルを学べるコースが用意されています。
カリキュラムの内容も大きく変わることはありません。
2.どちらの訓練も、失業保険の受給有無に関係なく、条件を満たせば受講可能です。
一定の条件を満たせば、生活支援金（職業訓練受講給付金）を受けられる場合もあります。
3. 訓練期間
短期間コースから長期コースまで幅広いラインナップが揃っています。
3ヶ月程度の短期コースから、製造技術コース（6〜7ヶ月）の中期コース、保育士コース（2年）のような長期コースがあります。
短期集中型から中期コースが多く、2～6ヶ月程度が主流。
→ 例: パソコン基礎コース（2ヶ月）、医療事務（3ヶ月）、プログラミング(6ヶ月)。
4. 経済支援について
公共職業訓練と求職者支援訓練のどちらでも、訓練中の経済的サポートを受けられる仕組みがあります。
1. 失業保険の受給
雇用保険（失業保険）を受給できる場合、訓練中も失業保険を受け取りながら学ぶことが可能です。
条件を満たせば、失業保険の受給期間が訓練終了まで延長されることがあります。
2. 訓練受講給付金（月10万円＋交通費）
失業保険を受給できない方は、条件を満たせば月10万円と交通費が支給される「職業訓練受講給付金」を受け取ることができます。
3. 交通費や通所手当
自宅から訓練校までの交通費が支給される場合があります。さらに、訓練受講中の失業保険の手続き代行などの支援制度もあります。
経済的支援などの詳細は、職業訓練を【受講指示】で受ける条件と５つのメリットを徹底解説で説明しています。
なお、職業訓練コースを調べたい場合は、
ハローワークインターネットサービスで全国の職業訓練コースを検索できます。
職業訓練の就職率
ハローワークの職業訓練は、特定の職業に必要なスキルや知識を身につけるためのプログラムです。
職業訓練を受講して再就職する就職率は以下の通りです。
1. 公共職業訓練（離職者訓練）
機関: 主にポリテクセンター（職業能力開発促進センター）
就職率: 87.5%
2. 求職者支援訓練
基礎コース:
就職率: 55.7%
実践コース:
就職率: 58.4%
＜出典: ハロートレーニング（公的職業訓練）の実施状況＞
上記のように、厚生労働省のデータによれば、職業訓練を修了した人全体の就職率は50%〜80%以上に達しており、20代の若年層ではさらに高い傾向にあります。
特に公共職業訓練では、87.5%という非常に高い再就職率を実現しており、適切なスキルや知識を得ることで多くの人が未経験の職場での活躍を実現しています。
この高い就職率は、職業訓練が再就職を目指す人のために作られた制度だからこそです。
訓練では、仕事に直結するスキルや知識を学ぶだけでなく、履歴書の書き方や面接対策、企業とのマッチングなど、就職活動も手厚くサポートしています。
第2章: 20代に人気の職業訓練分野
職業訓練は、未経験からでも安心して始められる制度です。
ただし、すべての訓練コースを修了すれば即戦力になれるとは限りません。
人気の職業訓練コースと取得できる資格は以下の通りです。
1. 保育士分野
保育士は、子どもと関わる仕事を目指す20代に特に人気があります。
保育士資格を取得することで、保育園や幼稚園、児童福祉施設などで活躍できるチャンスが広がります。
訓練期間: 約2年間（フルタイム）
取得資格: 保育士資格
カリキュラム内容:
子どもの発達や心理、保育技術の基礎から応用まで学びます。
現場での実習もあり、保育実務に必要なスキルを実践的に学べます。
求人データ:
保育士業界は引き続き人手不足で、求人倍率は高く、特に都市部では採用意欲が高い傾向にあります。
地方でも需要があり、全国的に求人数は安定しています。
若者の採用傾向:
若年層の採用を積極的に行っている施設が多いです。
特に新卒や転職希望者が若い職場環境での経験を求めるため、20代の採用が優遇されるケースが多いです。
2.IT関連分野
IT業界では慢性的な人手不足が続いており、プログラマーやWebデザイナー、HP作成のスキルを持つ人材は特に需要が高いです。
訓練期間: 4〜6ヶ月
取得資格:
・基本情報技術者
・Webデザイン技能士
・応用情報技術者
学べるスキル:
1. プログラミング（Java、Python、HTML/CSS）
コーディングの基本から応用までを習得。
2. Webデザイン
デザインツール（Photoshop、Illustrator）の操作や、サイト設計の基礎を学びます。
3. HP作成
HTML、CSS、JavaScriptを活用したホームページ作成を実践。
4. システム開発
開発の基礎を学び、実践的なプロジェクトを通じて即戦力となるスキルを習得。
訓練内容:
プログラミングやWebデザインの基礎を学びつつ、プロジェクト形式でポートフォリオを作成します。
チームでの開発やデザインを経験することで、実務に近いスキルが身につきます。
IT業界の採用状況とポイント:
求人倍率は、プログラマーやWebデザイナーの求人倍率は2倍以上とされ、採用の可能性が高い分野です。
未経験でも特に20代の若者は採用されやすい傾向があります。基礎スキルを職業訓練で学ぶことで、就職に近づくことが可能です。
※Webデザイン・HP作成の注意点：
実務経験が求められる場合が多いため、6ヶ月の訓練期間では採用は厳しい面があります。
職業訓練中に個人プロジェクトやポートフォリオを作成したり、精力的に就活を進めることが重要です。
3. 医療事務
医療事務は、事務職の中でも専門的な知識が必要な業務があり、未経験であっても医療事務の資格があることで採用でとても有利になります。
訓練期間:3〜4ヶ月
取得資格やスキル:
・医療事務技能認定試験
・診療報酬請求事務能力認定試験。
スキル例：
電子カルテやレセプト業務の操作スキル。
医療保険制度の基礎知識。
訓練内容:
・医療事務の基礎知識から実践的なレセプト作成
・診療報酬請求業務の練習
・医療現場でのシミュレーション
求人データ:
・高齢化社会の中で人手不足が深刻で、医療事務の需要が増加している。
・体力的な負担が少なく、特に女性やシングルマザーにとって魅力的な職種。
・資格を持っていれば未経験者でも採用されやすい。
勤務形態の違い:
総合病院では請負社員として働くことが多く、勤務時間に柔軟性がある。
一方、個人病院はより密な対応が求められるが待遇がしっかりしていることが多い。
求人データ:
医療事務の求人倍率は安定しており、都市部では求人数が多いものの、地方でも一定の需要があります。
求人倍率は1.5～2倍程度で、競争は激しくありませんが安定した採用が見込まれます。
若者の採用傾向:
若年層の採用は積極的で、未経験者でも資格を持っていれば採用されやすいです。
特に新卒や転職希望者が多い業界で、20代の採用が多く見受けられます。
4. ビジネス事務
ビジネス事務は、一般的なオフィスワークに必要なPCスキル（Word、Excelなど）や簿記を学び、さまざまな業界で活躍できるスキルを身につけることができます。
訓練期間:約3ヶ月～6ヶ月
取得資格やスキル:
MOS（Microsoft Office Specialist）、簿記3級、FPなど
カリキュラム内容:
PC操作（Excel、Word、PowerPoint）、簿記、電話対応、ビジネスマナーなどを学び、実際の業務に即したスキルを習得します。
求人倍率:
ビジネス事務は非常に需要が高く、特に大手企業や一般事務職の求人が豊富です。
求人倍率は1.2～1.5倍程度で安定しており、採用のハードルは比較的低いです。
若者の採用傾向:
若年層、特に20代前半の採用が積極的です。
特に事務職では新卒採用が多いため、20代の採用に強い傾向があります。
5.製造業の技術職分野
日本の製造業は高度な技術力を求めており、特に機械加工、溶接、CAD関連の技術職は需要が高く安定しています。
これらの職種は今後も長期的に必要とされる分野です。
訓練期間:6ヶ月～7ヶ月
取得資格やスキル:
・機械加工技能士
・溶接技能士
・CAD利用技術者試験
カリキュラム内容:
1. 機械加工技術
精密な機械加工技術を学び、実際の機械を使って加工スキルを習得します。
2. 溶接技術
溶接技術の基礎から応用までを学び、実際の現場で活用できるスキルを身につけます。
3. CAD/CAM操作スキル
CADソフト（AutoCADなど）を使用して機械設計の基礎から応用まで学習します。
求人倍率:
機械設計業界や製造業では人手不足が続き、特にCADを使った設計職は需要が高いです。
求人倍率は1.5倍以上で、技術者を求める企業が多くあります。
若者の採用傾向:
製造業の技術職は若年層を積極的に採用して育成する意欲が強い傾向にあります。
未経験者でも職業訓練で一定の技術を習得していれば重宝されます。
6. 電気工事分野
電気工事士は、建物の電気設備を施工・保守する仕事で、実務経験がなくても訓練を通じてしっかり学べる人気のコースです。電気工事士資格を取得することで、建築現場での電気工事に関わることができます。
訓練期間:6ヶ月～7ヶ月
取得資格やスキル:第二種電気工事士
カリキュラム内容:
電気の基礎知識から、配線工事や機器の取り付け方法、電気安全に関する知識を学びます。
実習を通じて、現場で必要な技術を実践的に身につけます。
求人データ:
電気工事業界は安定して需要があり、特に電気工事士の求人は安定しています。
求人倍率は約1.3倍～1.5倍で、競争は少ないものの安定的に職を見つけやすいです。
若者の採用傾向:
若年層の採用を積極的に行っており、特に未経験者を対象とした研修制度が充実しています。
20代の採用は企業にとって重要であり、成長可能な人材として歓迎されます。
第3章: 訓練のカリキュラムや授業の進め方
職業訓練では、座学を中心に学びますが、一部の訓練コースでは企業での実習を組み合わせたコースもあります。
授業は平日の午前9時から午後4時頃までが一般的で、土日祝日はもちろん、年末年始やお盆期間などの長期休暇も設定されています。
また、IT系の職業訓練コースでは、自宅で好きな時間に受講できるEラーニングコースも用意されています。
訓練コースの多くは資格取得を目指しており、試験合格に向けた学習だけでなく、実際の職場で役立つ知識やスキルの習得を重視しています。
また、再就職を目標にしているため、勉強以外に以下のようなサポートも充実しています。
このように、職業訓練は学びと実践、さらに就職活動を一体化させた内容になっています。
午前: 座学で基礎知識を学ぶ（例: 保育士訓練の場合、子どもの発達や心理、保育方法）
午後: 実習・演習（例: IT訓練ではプログラミング実習、保育士訓練では保育園での実習）
週末や授業後: 復習や個別学習、グループディスカッションなどで理解を深める
第4章: 職業訓練を受けられる条件
職業訓練は、再就職を目指す若者にとって大きな助けとなる制度ですが、受講するためにはいくつかの条件があります。
1. 週20時間以上働いていないこと
職業訓練を受講するためには、週20時間以上働いている場合、訓練開始前に退職している必要があります。
これは、雇用保険の対象となるような働き方を続けていると、職業訓練の受講資格を満たせないためです。
2. ハローワークに求職登録をすること
職業訓練を受けるための条件の一つとして、ハローワークに求職登録を行うことが求められます。
求職登録を行うことで、ハローワークがあなたの状況を把握し、適切な職業訓練の情報を提供できるようになります。
また、求職登録をすることで、他の支援制度や求人情報にアクセスできる機会も増えます。
3. ハローワークでの認定が必要
職業訓練を受けるためには、ハローワークで「受講が必要」と認定されることが重要です。
ハローワークでは、求職状況や再就職の意欲を確認し、職業訓練が再就職に向けて適切であると判断される必要があります。
認定を受けるためには、求職活動を行っていることや、就業可能な状態であることを示さなければなりません。
また、自営を目的とした訓練や教養のために受講したい場合は認められません。
職業訓練はあくまで再就職を目指す人を対象とした制度であるためです。
第5章: 成功事例に学ぶ
20代Aさんの転職成功事例
転職のきっかけ
Aさんは食品販売の仕事にやりがいを感じていましたが、シフト制で土日休みが取れず、家族や友人との時間が確保できないことに悩んでいました。
また、専門スキルを身につけて長く働ける仕事を目指し、転職を決意しました。
職業訓練を選んだ理由
未経験でも挑戦できる医療事務に興味を持ち、ハローワークの3か月コースを受講。地域で需要が高く、土日休みが取りやすい点も魅力でした。
訓練内容と成果
Aさんは、医療保険制度やレセプト作成を基礎から学び、販売職での接客経験を活かしてコミュニケーションスキルも磨きました。
特にレセプト作成は苦労しましたが、反復練習で克服。訓練中に資格を取得し、実務スキルを習得しました。
再就職の成功要因
1. 資格取得：医療事務資格が採用を後押し。
2. 接客経験の活用：販売職で培った対応力を医療事務に応用できる点をアピール。
3. 前向きな退職理由：「土日休みで専門スキルを磨きたい」という明確な目標を伝え、好印象を与えました。
現在の活躍
現在、Aさんは地元のクリニックで医療事務として働き、受付対応やレセプト作成を担当。
「販売職の経験も活かしながら専門性のある仕事に就けて本当に良かった」と充実した日々を送っています。
20代Tさんの成功事例
Tさんは、飲食業界での長時間労働と不規則な勤務に限界を感じ、身体的負担が少なく安定した仕事を希望。
キャリアコンサルタントと相談し、製造業で需要の高い「機械加工」や「溶接」のスキル習得を目指し、職業訓練を受けることを決意しました。
訓練内容と成果
Tさんは3ヶ月のコースで以下の資格を取得しました。
1. 機械加工技能士
2. 溶接技能士
3. CAD利用技術者試験
4. パソコン基本操作スキル
これにより、未経験から即戦力となる技術を習得しました。
再就職の結果
資格取得後、Tさんは地元の製造業企業に正社員として採用され、土日休みで安定した勤務時間を実現。
体力的な負担も軽減され、希望通りの働き方を手に入れました。
訓練を受けたメリット
短期間で複数資格を取得し、未経験分野への転職を成功させたことが最大のメリットです。
訓練中は失業保険や交通費の支給もあり、経済的な安心感を得ながらスキル習得に集中できました。
また、企業説明会や就職支援が充実していたことで、就職活動をスムーズに進めることができました。
第6章: まとめ
再就職における悩みや不安は、多くの若者が抱える共通の課題です。
しかし、職業訓練を活用することで、資格やスキルを身につけ、自信を持って新たな職場に飛び込むことができます。
職業訓練を受けることで、あなたは単なる求職者ではなく、実力を持つ候補者に変わることができます。
例えば、先述したAさんのように、実際に資格を取得し、再就職に成功する事例がたくさんあります。
まずは、最寄りのハローワークを訪れ、職業相談をしてみましょう。
専門のスタッフがあなたの希望や状況に合わせてアドバイスをしてくれます。
また、職業訓練や求人情報についても詳しく案内してもらえるため、次の一歩を踏み出す大きな助けになるはずです。
