はじめに
「職業訓練ってどんなコースがあるのか、具体的に知りたい!」
そんな方に向けて、幅広い職業訓練のジャンルと探し方について詳しくご紹介します。
本記事では、職業訓練校で提供される多彩な訓練コースの探し方や、各コースの特徴、受講する期間、通学型と自宅学習型といった受講形態など、詳しく解説していきます。
これを読めば、どんな訓練コースが自分に合っているのか、しっかりとイメージできるはずです!
それではどうぞ!
職業訓練コースの情報収集の仕方
自分に合った訓練コースを見つけるためには、まず情報収集が重要です。
以下の方法で情報を得ることができます。
ハローワークインターネットサービス(HWIS)
ハローワークの求人情報や職業訓練情報を掲載しているサイトが「ハローワークインターネットサービス」です。
このサイトでは、最新の職業訓練に関する情報を提供しています。希望の地域や訓練コースの分野などを絞って、募集中の訓練コース情報を検索できます。
受講申込み中のコースから、募集前の情報まで幅広く検索することができます。
さらに地域や訓練のジャンル、キーワード、などで条件を絞って検索ができます。
都道府県の労働局HP
各都道府県の労働局ホームページでは、地域ごとの職業訓練情報を掲載しており、コース内容や募集要項などを確認することができます。
各都道府県の技術専門校
技術専門校は、専門的な技術や知識を学ぶための訓練校です。
都道府県によっては、この訓練校が民間の訓練校に訓練コースの運営を業務委託しています。
各都道府県内の技術専門校のウェブサイトから訓練情報を得ることができます。
ハローワーク職員
ハローワークの職員に直接相談することで、自分に合ったコースの提案やアドバイスを受けることができます。
また、窓口での相談以外に近隣の訓練コースのパンフレットを棚に配架したりしています。
訓練の申し込みもここで行えます。
ハローワークで職業訓練相談をするためには、ハローワークでの求職登録が必要です。
どのみち、職業訓練を受講申込みをするには必ず求職登録をしなければいけませんので、相談前にネットでインターネット登録を済ませておきましょう。
ハローワークインターネットサービスから求職登録をしておけばハローワークに行ってからの流れがスムーズです。
職業訓練の種類
職業訓練の中で、主に離職者が受講する訓練は、「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」の2種類があります。
これらの訓練は、ハロートレーニングとも言われています。
公共職業訓練
公共職業訓練は、主に失業者や転職希望者を対象にした職業訓練プログラムです。
ポリテクセンターや都道府県が民間に委託する訓練コースが代表的なものです。
主な特徴
対象者: 雇用保険を受給できる求職者が中心になりますが、雇用保険を受給していない長期失業者、自営業を廃業して再就職を目指す人なども受講できます。
訓練内容と施設
訓練内容: 訓練は多岐にわたり、電気設備技術や機械加工、介護保育、理美容、英会話、パソコン、簿記、医療事務、ICTエンジニアなどのコースがあります。
訓練期間は3ヶ月程度から最長2年までさまざまです。
施設: 訓練は職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)や職業能力開発大学校(ポリテクカレッジ)などの公共職業能力開発施設で行われるほか、都道府県が民間に委託する訓練コースもあります。
離職者向けの職業訓練といえば、長くこの公共職業訓練だけでしたが、リーマンショックの時期に以下の求職者支援訓練が新しく誕生しました。
求職者支援訓練
求職者支援訓練は、失業保険をもらえない人の再就職を支援するための職業訓練プログラムです。
主な対象者は、雇用保険を受給できない離職者やフリーランス、自営業者ですが、失業保険を受給している人も参加できます。
この訓練には、IT、営業・販売、介護・福祉、農業、建設など、さまざまな分野の基礎コースと実践コースが含まれています。
IT系のeラーニングやオンラインといった自宅受講ができるコースが充実しています。
訓練期間は2ヶ月程度から6ヶ月程度です。
公共職業訓練と同様に、幅広い分野のコースが用意されており、訓練は無料で提供されます。
数年前までは、公共職業訓練にあるような経済的な支援が少なかったのですが、今は公共職業訓練と同様の経済的なメリットを受けられるようになりました。
詳しく知りたい方は、公共職業訓練と求職者支援訓練の違い|6つのポイントで正しく選ぶで詳しく説明しています。
訓練期間中や終了後も、ハローワークが求職活動のサポートを行うため、公共職業訓練よりもハローワークの支援が充実しています。
受講生の年齢層と男女比率
職業訓練の受講生の年齢層は非常に幅広く、20代から60代まで多岐にわたります。
年齢層はコースの内容や地域によって異なりますが、30代〜40代が多く、40代、50代の受講生は増加傾向にあります。
一般的に、ITやWebデザインなどの技術系コースでは20代から30代の比較的若い層が多い一方、事務、介護、医療事務、ビル管理などのコースでは40代から50代以上の中高年層が増加傾向にあります。
また、地域によっても特徴があり、都市部では多様なコースが揃っているのに対し、地方ではその地域特有のニーズに合わせたコースが設けられることがあります
例えば、沖縄県では観光業のニーズに応じた「沖縄国際観光ビジネス科」が設置されており、地域の特色を生かした職業訓練が行われています。
男女比については、コースの内容により異なりますが、事務系や介護系のコースでは女性の割合が高いことが多く、IT系や技術系のコースでは男性の割合が高い傾向があります。
年齢、男女制限ありのコース
一部のコースには年齢の上限制限や男女制限が設けられている場合があります。
例えば企業実習付の電気設備コースでは55歳以下としています。
応募前にコースの募集要項を確認し、自分が対象となるかどうかを確認することが重要です。
入学時期や開始時間帯など
職業訓練の入学時期
入学時期は、コースや地域によって異なります。
同じような訓練コースが近郊で同じ時期に開催されないよう配慮されていますが、2年間の長期訓練コースだと、短大入学となるため入学時期は4月からと限定されます。
訓練の開始時間帯、年末年始やお盆休みについて
訓練の開始時間帯や休暇については、コースによって異なります。
多くの場合は、9時過ぎから16時までの時間帯で土日祝や年末年始、お盆などは休みとなっています。
一部は、夕方からや昼間だけの短時間コース、週4日で1日4時間コース、在宅受講と週1回の通学型、完全在宅受講など、自分のライフスタイルに合ったものを選ぶことができます。
職業訓練の期間
訓練コースの多くは3ヶ月から6ヶ月の期間です。
一方、2年間という長期間にわたり専門的な知識と技術を深く学ぶ長期職業訓練コースもあります。
この訓練コースは、まだまだ一般に知られていないので、受講申込者もそれほど多くなく合格しやすいなど大変魅力的な訓練コースとなっています。
短大や専門学校に入学して、一般学生とともに授業や定期試験を受け学校行事にも参加して学生生活を過ごします。
2年間の学費や入学金が無料であるとともに、失業保険や交通費が毎月支給され受講生を支えます
また、学校が失業保険の手続きを代行することで、受講生は手続きの煩雑さを避け、安心して訓練に集中できます。
在宅勤務希望の方向けの訓練コース
在宅勤務を希望する場合、在宅でできるために必要なスキルや知識を習得するための訓練コース選びが成功へのカギとなります。
特に、プログラミング、WEBデザイン、ホームページ作成、パソコン操作などのスキルは、在宅勤務に非常に役立つため、これらを学べるコースがおすすめです。
これらのスキルを学ぶための訓練は、通学型でも提供されていますが、特にeラーニングを利用したオンラインコースには多くのメリットがあります。
eラーニングでは、いつでもどこでも学習できる柔軟性があり、通学にかかる時間やコストを削減できます。
さらに、自分のペースで学習を進めることができるため、子育てや介護の方なども家庭の都合に合わせてスキルアップが可能です。
また、eラーニングのコースでは、在宅勤務に特化したツールの使い方や、プロジェクト管理、タイムマネジメントなど、実務で即戦力となるスキルを習得できます。
これにより、在宅勤務に移行した際にもスムーズに業務を遂行し、高い生産性を維持することができるでしょう。
通学型とeラーニング型の職業訓練
通学型は、指定された訓練校に通い、講義を直接受ける形式です。
一方、eラーニング型は、
- 自宅でインターネットを利用して講義を受ける形式で、自由に学習時間を選べる形(eラーニング)
- 指定された時間に自宅で講義を受ける形(オンライン)
の2つがあります。
子育てや介護の理由、または通学圏内に希望するコースがない場合には、自宅で受講できるeラーニングコースも受けることができます。
eラーニングの全国対応
eラーニングの職業訓練は、全国どこからでも受講可能です。
地方にお住まいの方など、近郊に希望する訓練コースがない方にとっては、全国から希望のコースを選べるため大きな利点です。
eラーニングで学べるコースの種類
受講できるコースには、IT分野、語学、ビジネススキルなど、多岐にわたるジャンルがあります。
訓練コースの選び方
訓練コースを選ぶ際には、自分がどんな仕事を希望するのかを明確にすることが大切です。
しかし、明確な目標がない場合でも、興味のある分野やスキルを学ぶことで新たなキャリアの可能性が広がります。
例えば、WEBデザインコースでは、HPの作成スキルも学べるので事務職などデスクワーク全般の仕事に就くことも十分可能です。
訓練校の説明会参加
訓練校の説明会に参加することも有効です。各訓練コースでは、必ず説明会が用意されています。
訓練校の説明会に参加することで、実際の授業内容や訓練施設の雰囲気を知ることができます。
また、説明会では講師や卒業生からの話を聞くことができるため、具体的なイメージを持つことができます。
さらに必ず行われる選考会対策としての情報収集にも役立ちます。
ハローワークでの訓練相談
ハローワークには、職業訓練専門の職員が配置されています。
そこで直接相談することで、自分に合ったコースの提案やアドバイスを受けることができます。
また、ハローワークに行くと近隣の募集中の訓練コースのパンフレットを手にすることもできます。
職業訓練の各コース紹介
IT・事務分野
パソコンに特化したコース
このコースでは、パソコン操作のスキルを徹底的に学ぶことができます。
ワードやエクセル、パワーポイントといった基本操作はもちろん、データベースやマイクロソフトアクセスといった高度なツールの使い方も学習します。
特に、表計算やデータ処理など、実務で役立つ技術を深く学べるため、パソコン操作が中心の職種を目指している方に最適です。
このコースは、基本的なパソコンスキルを習得したい方から、本格的なITスキルを身につけたい方まで、幅広く対応しています。
受講期間は一般的に3〜4ヶ月で、短期間で実践的なスキルを習得できるため、効率よく学びたい方に人気です。
製造業や介護、接客業で再就職をめざす方も、今は業務上でパソコンスキルが必要になってきています。
基本的なパソコンスキルを身につけるためにこの訓練コースを受講するケースも増えています。
このコースではパソコンスキルに特化して学ぶため、事務職以外の職種にも幅広く活かせる汎用的なスキルを得ることができます。
パソコンと総務経理を学べるコース
一方で、パソコンスキルと事務総務の基礎知識を学びたい方には、これらを組み合わせたコースがおすすめです。
このコースでは、文書作成や表計算といった基本的なパソコン操作に加え、電話応対、書類管理、ビジネスマナー、給与計算、入退社手続き、社会保険制度、簿記など、事務総務経理の実務に必要なスキルを学べます。
パソコンの資格から日商簿記検定、FPなどの資格が取得可能です。
事務職や総務の仕事を目指す方にとって非常に実践的で、未経験でも就職や転職に有利です。
特に女性に人気があり、家庭と両立しながらスキルアップを目指す方や、事務経験があっても基礎から知識を身につけたい方に適しています。
今は色々な職場でパソコンスキルが必須となっています。
基本的なパソコンスキルを中心に学びたい方は「パソコンに特化したコース」、
事務職希望で総務系の知識も合わせて習得したい方は「パソコンと事務総務経理を学べるコース」を選ぶことで、より自分の目標に合ったスキルを効率よく身につけることができます。
経理簿記
経理や簿記の知識を学び、企業の財務管理をサポートするスキルを身に付けるためのコースです。
パソコン事務の基礎を学びながら、簿記の勉強を進めるカリキュラムが組み込まれており、日商簿記3級だけでなく、さらにステップアップして日商簿記3級の取得も目指せます。
受講期間は3〜4ヶ月程度の設定が多く、短期間で効率よく資格取得と実務スキルの習得を目指せます。
簿記検定合格に向けた丁寧な指導に加え、実務で役立つ経理業務や財務管理の知識も身に付けることができます。
このコースでは、経理ソフトの使い方や財務諸表の作成方法、日常的な経費処理や帳簿管理など、実際の職場で求められるスキルも習得できます。
簿記の資格取得だけでなく、日常業務に即した実践的な知識を学ぶことができるため、将来的に経理担当として企業の財務管理をサポートするための万全の準備が整います。
簿記の基礎から応用まで、幅広い知識を身に付けて、財務のプロフェッショナルを目指せます。
FP・宅建
ファイナンシャルプランナー(FP)や宅地建物取引士(宅建)の資格取得を目指すコースもその一環であり、特に金融や不動産業界への転職を希望する方に人気があります。
このコースでは、金融・不動産に関する専門的な知識を学び、FPや宅建の資格取得を目指します。
ファイナンシャルプランナー(FP)コースでは、保険、年金、資産運用、税制に関する基本的な知識を網羅し、個人や企業に対して適切なプランニングを提案できるスキルを習得します。
また、宅地建物取引士(宅建)コースでは、不動産取引に必要な法律知識や手続きの流れを学び、国家試験の合格を目指します。
宅建の合格率は、一般的に15~17%程度です。
一方で、職業訓練で宅建のコースを受講した場合、合格率は平均して30~40%程度になると言われています。
これらのコースは、試験に必要な知識を効率よく学べるように設計されているため、独学に比べて合格率が高くなる傾向があります。
ただし、合格率は訓練機関や受講者の学習状況によって異なるため、必ずしも一律ではありません。
多くの FP・宅建コースでは、3~4ヶ月程度の受講期間が設けられており、座学だけでなく、実際の業務に即した実践的なカリキュラムも含まれています。
パソコンスキルを学ぶカリキュラムも組み込まれているコースもあります。
受講期間中は、専門の講師による指導のもと、資格試験に合格するための対策が行われ、終了後には資格試験に臨む準備が整います。
医療事務
医療事務の職業訓練は、医療機関で働くために必要な知識とスキルを習得できるコースです。
この訓練では、医療保険制度の基本から診療報酬請求(レセプト)の作成、医療用語までを体系的に学ぶことができます。
特に診療報酬は専門性が高く、医療機関の収益に直結するため、レセプトの知識を持つ有資格者は非常に重宝されます。
学習期間は通常2〜4ヶ月で、医療事務、調剤事務、介護事務といった資格を取得可能であり、資格を持つことで就職活動において大きなアドバンテージとなります。
また、職場体験が含まれたコースもあり、実際の現場での実務経験を積みながら学ぶことができるのが特徴です。
これにより、習得した知識を即座に実践に活かし、即戦力として働くスキルが身につきます。
さらに、医療事務には欠かせないパソコンスキルも身につけることができるため、業務の効率化にも対応できます。
医療事務職は専門知識が必要とされるため、医療事務の資格が必要な求人も多く見られます。
医療事務の資格を取得することで採用の可能性は格段に広がるでしょう。
IT分野
IT分野には、WEBデザイン、プログラミング、HP作成の訓練コースがあります。
これらのコースは、いずれも人気の高いコースばかりです。
さらに、人材が不足しているとされている業界ですから、雇用のミスマッチの生じている業界といわれています。
そのため、国の施策としてこの分野の職業訓練コースを多く設定して雇用のミスマッチ解消に向けて力を入れています。
IT分野は在宅での受講に適しているため、Eラーニング、オンラインといったコースが数多く設定されています。
WEBデザイン
WEBデザインの職業訓練は、すべての職業訓練コースの中で特に人気が高いコースです。
この訓練では、PhotoshopやIllustratorといったデザインソフトの操作に加え、HTML、CSS、JavaScriptなどのフロントエンド技術を基礎から学び、最終的には自分でWEBサイトを制作できるスキルを身につけます。
また、色彩理論やマーケティングの基礎知識も習得でき、デザインとビジネスの両方を理解したWEBデザイナーを目指します。
職業訓練では、「Illustrator®クリエイター能力認定試験」や「Webクリエイター能力認定試験」などの資格取得を目指せるコースもあり、就職活動で有利に働くことが期待されます。
さらに、企業実習や就職支援も組み込まれており、実務に近い環境でスキルを磨くことが可能です。
WEBデザインの分野は競争が激しく、就職が難しい面もありますが、この訓練で得られるスキルは、WEBサイト制作にとどまらず、幅広いITスキルを身につけるため、WEBディレクターやマーケティング関連職、ITサポートなどのさまざまな業務に活かせます。
これにより、WEBデザインに限らず、さまざまな職種への就職が可能になります。
さらに、民間のWEBデザインスクールと比較すると、職業訓練は非常にコストパフォーマンスが優れています。
たとえば、一般的な民間のWEBデザインスクールでは、6ヶ月のコースで約50万円〜100万円の授業料がかかることが多いですが、職業訓練は基本的に無料で受講できるため、金銭的な負担が大幅に軽減されます。
この無料という点が、職業訓練が非常に人気の高い理由の一つです。
ただし、すべての訓練コースの中で一番人気であり応募倍率も2倍以上となることが多いなど、狭き門となっており、すべての希望者が受講できるわけではありません。
また、訓練終了後も継続的な自己学習や実務経験が必要となり、これらが就職成功のカギとなります。
プログラミング
プログラミングの基礎から応用までを学ぶコースで3か月から6か月のコースが多くあります。
多くのプログラムでは、プログラミング経験がなくても基礎から学べるカリキュラムが組まれており、入門レベルのコースが充実しています。
訓練の初期段階では、コンピュータやプログラミングの基本概念、簡単なコードの書き方など、初歩的な内容から始まります。そのため、初心者でも無理なくスタートを切ることができます。
訓練内容は、プログラミング言語(例:Python、Java、JavaScript)の習得が中心で、アルゴリズム、データ構造、データベース、Web開発、ソフトウェア設計などが段階的に学べるように構成されています。
学習の進行に合わせて、簡単なプロジェクトから複雑なアプリケーションの開発へと進みます。
また、メンター制度やチームでのプロジェクト学習がある場合、質問やフィードバックを受けながら学べるため、初心者にとって安心です。
再就職のしやすさという点では、プログラミングスキルは非常に高い需要があるため、初心者でも適切な訓練を受ければ他業種に比べて比較的容易に就職が可能です。
特にIT業界は人材不足が続いており、基礎スキルを持つ人材も歓迎されます。
リモートワークの普及により、地域に縛られない就職機会も広がっています。
初心者でも、継続的な学習と実践を積むことで、Web開発者やデータアナリスト、ソフトウェアエンジニアなどへのキャリアパスが開かれていきます。
HP作成
HP作成の職業訓練は、ウェブデザインと開発のスキルを身につけるための実践的なプログラムです。訓練内容は多岐にわたり、基礎から応用まで幅広いスキルを学ぶことができます。
訓練コースによっては、事務分野やDX分野のカリキュラムが組み合わされた内容になっていることもあります。
一般的には、以下のような内容が含まれます。
1.HTML/CSSの基礎
ウェブページの構造を作成するためのHTML(HyperText Markup Language)と、スタイリングを施すためのCSS(Cascading Style Sheets)について学びます。
これにより、ウェブページの基本的なデザインとレイアウトを構築する技術を習得します。
2.JavaScriptと動的コンテンツ
ウェブページにインタラクティブな要素を追加するためのJavaScriptを学習します。
これにより、ユーザーの操作に応じた動的なコンテンツの作成が可能になります。
3.ウェブデザインの原則
ユーザーエクスペリエンス(UX)とユーザーインターフェース(UI)の設計原則に関する知識を深め、使いやすいウェブサイトのデザイン手法を学びます。
4.レスポンシブデザイン
さまざまなデバイスや画面サイズに対応できるように、レスポンシブデザインの技術を習得します。
これにより、どんなデバイスでも快適に閲覧できるサイトを作成できます。
5.CMSの利用
WordPressなどのコンテンツ管理システム(CMS)の使い方を学び、効率的にウェブサイトを構築・運営する技術を習得します。
訓練期間については、訓練コースによって異なりますが一般的には3〜6ヶ月のコースが多いです。
この訓練コースの特徴としては、実践的なプロジェクトを通じて学ぶ機会が豊富であることが挙げられます。
多くの訓練コースでは、実際のウェブサイトを制作することで、学んだ知識を即実践に活かせるようになっています。
また、最新のウェブ技術やトレンドにも対応しており、業界のニーズに即したスキルを身につけることができます。
HP(ホームページ)作成の仕事の将来性について
HP(ホームページ)作成の仕事の将来性について、プログラミング全般やデータ分析の職業と比較し、AIの観点から考えると、やや複雑な状況です。
AIの影響について
AIは現在、ホームページ作成の分野にも大きな影響を与えています。
例えば、WixやSquarespace、WordPressなどのプラットフォームがAIを活用して、ドラッグアンドドロップやテンプレートベースのデザインを提供しており、非技術者でも簡単にホームページを作成できるようになっています。
また、AIを活用した「自動デザインツール」や「AIデザイナー」も登場しており、ユーザーが簡単な質問に答えるだけで、AIが自動的にカスタムデザインを生成することも可能になっています。
このように、プログラミングの分野と比較すると、HP作成の仕事は自動化の進展による影響が大きく、従来のようにHTMLやCSS、JavaScriptを駆使して手作業でホームページを構築するニーズは今後減少する可能性があります。
その一方で、ホームページ作成の専門知識は依然として重要です。
企業やブランドが求めるカスタムデザインや、高度な機能を備えたサイトの構築には、AIツールでは対応できない部分が多く残っています。
ホームページ作成の仕事は、将来的に自動化される部分が多いものの、高度なデザインや専門的な知識を活かせる領域では依然として需要があります。
そのため、HP作成に携わる人もAIツールを活用しながら、デザインやマーケティング、UX/UIの専門性を磨くことが重要になってくるでしょう。
また、HP作成の仕事に限定せず、事務職も含めて求職活動していくと、複合的なスキルを評価して事務職採用につながる可能性も出てきます。
製造分野
ポリテクセンターは、全国に展開する公的な職業訓練施設で、製造分野をはじめ、さまざまな技術分野での専門人材を養成しているなど、製造分野の職業訓練を担っています。
具体的には、製造業における機械加工や溶接、制御プログラミング、機械設計CADなど、実務に直結したスキルを習得できる多様なコースが設けられています。
また、製造分野以外にも、ビル管理や電気工事、建築分野の技術者育成に力を入れており、幅広い分野で即戦力となる人材を輩出しています。
訓練期間は6〜7ヶ月と長く、しっかりしたスキルを身につけることができます。
製造分野の訓練内容
1. 機械加工コース
このコースでは、旋盤、フライス盤、マシニングセンタなどの操作方法を基礎から実践まで学びます。
これらの技能は、部品加工や精密機械製造において不可欠であり、卒業生は工場や製造現場での即戦力として高く評価されます。
クレーン、玉掛けに関する資格も取得可能で、ポリテクセンターの機械加工コース修了生の就職率は90%以上を誇り、特に製造業界では即戦力として非常に高いニーズがあります。
2. 溶接コース
溶接技術は、鉄鋼業や建設業など幅広い分野で必要とされる技術です。
ポリテクセンターの溶接コースでは、アーク溶接、ガス溶接、TIG溶接など多様な溶接技術を習得します。
さらに、溶接技能者としての国家資格取得支援も行われており、受講者の大半が資格を取得して卒業しています。
この資格を活かし、建設業や製造業での就職活動を有利に進めることができます。
3. 制御プログラミングコース
制御プログラミングのコースでは、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)やマイコンを用いた制御システムの設計・開発を学びます。
工場の自動化や産業機械の制御技術が進化する中、制御プログラマーの需要は年々増加しています。
ポリテクセンターの制御プログラミングコースの卒業生は、自動車メーカーや電子機器メーカーをはじめとした大手企業に高く評価され関連分野に就職しています。
4. 機械設計CADコース
このコースでは、2Dおよび3Dの設計ソフトを使いこなし、機械部品の設計図を作成するスキルを習得します。
製品開発や機械設計において、CADの操作は不可欠な技術であり、ポリテクセンターでは実務的なトレーニングを通じて、CADオペレーターや機械設計エンジニアとして活躍できる能力を育成します。
製造業界において即戦力として採用されるケースが多いです。
ビル管理・電気分野
1. ビル管理・電気工事コース
このコースでは、電気工事士や消防設備士などの資格取得を目指します。
電気工事の基礎知識と実技を学び、防災設備の設置やメンテナンスに必要な技術を習得することで、商業施設や住宅、オフィスビルなどの電気設備管理に対応できる人材を育成します。
ポリテクセンターのビル管理・電気工事コースを修了した卒業生は、資格取得後に電気設備工事会社やビル管理会社での再就職を実現しています。
充実した就職支援
ポリテクセンターでは、技術習得にとどまらず、受講生の就職活動を包括的に支援しています。
個別の就職相談をはじめ、専門の就職支援担当者による求人情報の提供、面接対策、履歴書や職務経歴書の作成指導を通じて、受講生一人ひとりのニーズに合わせたサポートを行っています。
さらに、受講生が企業との接点を持てるように、個人が特定されない形での受講生情報の提供や、企業見学会の実施、企業実習の機会を提供しています。
これにより、実習先での直接採用や求人企業とのマッチングがスムーズに進むよう支援しています。
2.フォークリフト・クレーン・高所作業・玉掛・溶接
このコースでは、フォークリフト、クレーン、高所作業、玉掛、そして溶接に関する技術を学び、各種の資格取得を目指します。
特に建設現場や倉庫作業、製造業での安全な作業をサポートするための実践的な技術を身につけることができます。
取得資格は以下の通りです。
通常、自費でこれらの資格を取得するには、以下のような費用がかかります。
これらの資格をすべて取得するには、合計で約180,000円〜310,000円の費用がかかります。
しかし、このコースではこれらの資格をすべて無料で取得できるのが大きな魅力です。
受講期間は約3ヶ月で、短期間で効率よくこれらの技術と資格を身につけることができます。
介護分野
介護の分野は、近年ますます需要が高まっている重要な職業領域です。
高齢化や少子化の影響を受け、これらの職業に対する需要は今後も増加していくと予想されます。
資格取得支援や実習を通じて実践的なスキルを学ぶことができるこれらのコースは、将来性のある職業に就きたいと考える人々にとって有望な進路です。
介護福祉士
介護福祉士の資格取得を目指すコースです。
このコースでは、短期大学で2年間にわたって介護技術や福祉に関する知識を学び、資格取得後の就職をサポートします。
入学金から学費まで無料で受講できることに加えて、さらに大きなメリットとして、受講中に失業保険を継続して受給できる点もあります。
この制度により、経済的な心配をせずに学業に集中でき、資格取得と新たなキャリア形成を支援しています。
また、短期大学卒業という学歴を手にする点を魅力に感じる方もいらっしゃるでしょう。
介護福祉士は、利用者の身体的なケアだけでなく、生活の質を向上させるための支援を行う専門職です。そのため、介護福祉士になるためには高度な技術と知識が求められます。
介護福祉士の国家資格を取得すると、病院や福祉施設、在宅介護などのさまざまな現場で活躍することができます。
また、資格取得後の就職率は約95%と高く、病院、福祉施設、在宅介護などで幅広い職場での活躍が期待されます。
介護労働講習
介護労働講習では、介護現場における労働環境や法規制について学びます。
実務者研修を修了することで、介護福祉士の国家試験の受験資格を得ることができます。
この講習は、毎年6月から全国で開講され、受講期間は約6か月です。
この訓練コースは雇用保険受給者で受講指示を受けられる方限定となっています。
受講指示とは? 職業訓練を【受講指示】で受ける条件と5つのメリットを徹底解説
施設見学や現場実習の機会が設けられており、実践力を養うことができます。
また、修了者の就職率は90%を超えており、実務者としてのスキルアップを目指す方にとって魅力的な選択肢となっています。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修の資格を取得できる3ヶ月のコースです。
介護の基礎知識と技術を学び、介護現場での即戦力となるスキルを習得します。
介護職員初任者研修は、介護の基礎知識と技術を学ぶためのコースです。
介護職の最初のステップとして位置づけられており、介護現場で即戦力となるスキルを習得することが目的です。
この研修を修了することで、施設や在宅での介護業務に携わることができ、さらに上位資格の取得を目指すための基盤が築かれます。
外国人向けのコースも設定されており、介護の勉強と合わせて日本語の勉強もします。
テキストもひらがな、カタカナで作られています。
保育分野
短期大学で2年間にわたり保育について学び、保育士や幼稚園教諭の資格を取得するコースです。
このコースも介護福祉士のコースと同様に、入学金から学費まで完全に無料で、かつ受講中は失業保険を引き続き受給できる点が大きな魅力です。
受講者は、経済的な心配をせずに学業に専念し、資格取得後には約95%の高い就職率を誇ります。
保育士は、子どもたちの成長と発達を支援する重要な役割を担っており、幼稚園教諭は教育面での専門性を発揮し、幼児教育を担当します。
保育士と幼稚園教諭の両方の資格を取得することで、保育園や幼稚園、さらには認定こども園など、さまざまな職場での就職が可能となります。
学業や就職支援も一般学生と同様に提供され、就職までのサポートが整っていますから、とても魅力的なコースです。
調理分野
調理師の資格取得を目指すコースです。料理の基礎から高度な調理技術までを学び、飲食業界でのキャリアを築くためのスキルを身に付けます。
自動車整備士分野
自動車整備士2級の資格取得を目指すコースです。
自動車の構造や整備技術を学び、自動車整備工場やディーラーでの実務に対応できるスキルを身に付けます。
美容・ペット分野
ネイル
ネイルケアやネイルアートの技術を学ぶコースです。
プロのネイリストとして必要なスキルを体系的に習得します。訓練期間は3ヶ月〜6ヶ月で、短期間で効率よく技術を習得できます。
取得できる資格にはネイリスト技能検定3級 やジェルネイル技能検定があります。
しかし、ネイリスト3級では就職に必要な資格としては厳しく、訓練終了後もネイリスト2級の取得を目指す受講生がいます。
ジェルネイル、アクリルネイルの技術も含め、美容サロンや独立開業に役立つ実践的な技術を学ぶことができます。
カイロプラクティック
このコースでは、カイロプラクティックの技術を専門的に学びます。
骨格の調整や身体のバランスを整える手技療法を習得し、健康管理やリラクゼーション業界での就職を目指します。
訓練期間は3ヶ月で、短期間で実践的な技術を身につけることが可能です。
取得できる資格にはカイロプラクティック施術資格があります。
修了後は、整体院やリラクゼーションサロンでの就職、または独立開業を目指すことができます。
トリマー・ペットケア
このコースでは、トリマーやペットケアに関する専門技術を学びます。
ペットの美容や健康管理の基本から高度なトリミング技術までを習得し、ペット業界での就職を目指します。
訓練期間は6ヶ月で、十分な実習時間を確保し、即戦力となるスキルを身につけることができます。
取得できる資格にはトリマー検定 があります。
ペットショップや動物病院での就職に向けた全面的なサポートが提供されます。
最後に
職業訓練校のコースは、多岐にわたり、幅広い分野で専門的な知識と技術を学ぶことができます。
自分に合ったコースを選ぶことで、スキルアップやキャリアチェンジの成功に近づくことができます。
職業訓練は一度受講すると原則として1年間は連続受講ができませんから、どの訓練コースを選択するかは慎重であるべきです。
情報収集を怠らず、できれば訓練校の説明会に参加してみましょう。
実際の訓練内容や環境を確認することで今後のイメージが固まるでしょう。
またハローワークの相談員と相談すると、ネットだけでは分からない色々な情報を知ることができるでしょう。