職業訓練を受講するためには、希望する訓練コースに申し込んだ後に選考会に合格しないといけません。
ここでは、選考会とはどのようなものなのか、また筆記試験、面接、応募書類といった合否に関わるポイントについて説明していきます。
人気の訓練コースでは定員の3倍を超えるような応募者が集まることもあり、選考会に向けてしっかりした準備が必要といえるでしょう。
以下では、職業訓練に合格するための具体的な選考会対策について説明します。
職業訓練の種類
試験の内容を説明する前に、職業訓練の種類を紹介します。
職業訓練には、公共職業訓練と求職者支援訓練の2種類があります。
公共職業訓練は失業保険をもらえる方が主体であるのに対し、求職者支援訓練は失業保険をもらえない方が優先されます。
ちなみに、失業保険がもらえる、もらえない、に関わらずどちらの訓練も受講ができます。
ただし、この訓練の種類によって応募書類に違いがあり、この違いは選考会にも影響してきますから、どちらの職業訓練を受講するかで対策は変わってきます。
職業訓練での選考会とは?
職業訓練の選考会について説明します。
職業訓練には定員があり、どれだけ応募者数が定員を大幅に超えても、訓練校は受講生数を定員数以内に抑える必要があります。
一方、応募者数が定員に満たない場合でも、選考会は必ず実施され受講希望者全員が合格するわけではありません。
職業訓練の受講生を決める選考方法とは?
選考方法として、多くの場合は筆記試験と面接が行われますが、面接だけの場合もあります。
筆記試験と面接が課される場合の合否判定は、多くの場合は総合評価となります。
また、筆記試験と面接のそれぞれの得点の合計点が一定の基準を超えれば合格対象者として、その合格対象者の中から抽選で合格者を選ぶという場合もあります。
職業訓練の選考に合格するための基本戦術
職業訓練の選考に合格するためには、職業訓練校がどのような人物を求めているかを理解することが重要です。訓練校が求める受講生像は次のような方です。
- 訓練コースが再就職に役立つと思われる
- 授業をきちんと受講できる
- 受講生同士の輪を乱さない
- 就職しやすい
訓練を受ける理由が単に教養を身につけるためや、訓練中に失業保険を受け取り続けるためだけだと、訓練校にとっては好ましくありません。
これらのポイントを踏まえ、自己PRをしっかり行い、訓練校に対して自分が適任であることを伝えることが、合格への近道となります。
受講申込書の魅力的な書き方
選考会での筆記試験の得点や面接の受け答えも大切ですが、その前に提出している受講申込書に書かれた内容も大きく合否に影響することがあります。
公共職業訓練と求職者支援訓練とでは受講申込書の記載内容は変わります。
公共職業訓練では受講申込書にアピールポイントを記載することがあまりありませんが、求職者支援訓練では受講申込書の記載項目が統一されており、さらに選考において重要な役割を果たしていますので、しっかり記載することが必要です。
上記のように、求職者支援訓練では、以下の内容で受講申込書を提出しています。
このなかで、以下のような求職活動実績は就職の意欲を示すものですから受講申込書のアピールになりますし、面接の際にも自信を持って説明できることにつながります。
- 求人サイトへの登録
- 訓練校の説明会への参加
求人サイトへの登録
次に、求人サイトへの登録状況を記載します。主要な求人サイトに登録し、どのように活用しているかを具体的に説明します。
求人情報をどの頻度でチェックしているか、応募件数なども具体的に記載すると、積極的な姿勢が伝わります。
以下のサイトは、登録に適した求人サイトです。
その対策のために、以下の求人サイトで就職活動の実績をクリアしておきましょう。
・求人ジャーナルネット
こちらの求人サイトの特によいところは、応募情報の記入が必要ないことです。
いちいち応募情報を入力するのって結構面倒なんですが、それをしなくても希望の仕事の条件を登録しておくと、求人情報はメールやアプリのプッシュ通知で案内されます。
アルバイトを探す学生から、正社員を目指す新卒、転職を希望する現役社会人、 定年後のセカンドライフに合わせてお仕事を探すシニア世代まで幅広く利用できます。
こちらの求人サイトの特によいところは、応募情報の記入が必要ないことです。
・コウジョブ
【コウジョブ】工場・製造業のお仕事に特化した求人情報サイト
※工場・製造業のお仕事に特化した求人情報サイトです。寮費無料 ・入社祝い金 ・日払い・週払いの仕事が見つかります。
・タネックス
タネックスは、10代、20代の就職・転職に特化している転職エージェントです。
業界未経験、職種未経験の方にとっての転職支援が強みでキャリアアドバイザーによるサポートが充実しています。
・スミジョブ
掲載されている求人はすべて寮付き・もしくは住み込みの求人となっています。リゾートバイトから高待遇の工場求人まで幅広く取り扱っています。
訓練校の説明会への参加
訓練校の説明会への参加実績を記載します。説明会に参加することで得た情報や感想を具体的に記述し、面接においても、自分がなぜその訓練校で学びたいかの理由や目標を伝えることができます。
職業訓練相談の倍率を知るためにハローワークで相談
職業訓練の倍率や応募状況について知るためには、ハローワークで相談することが有効です。
ハローワークの職員は、最新の情報を持っており、あなたの状況に合わせたアドバイスを提供してくれます。
また、職業訓練に関する質問や不安を解消するためにも、定期的にハローワークを訪れて相談することをお勧めします。
職業訓練の筆記試験対策
まず、筆記試験の内容を把握することが重要です。
ポリテクセンターでは、出題例を公開しています。
職業訓練校によっては、就活時によく使われる適性検査SPIで出題されるような一般知識問題が出されることもあります。
筆記試験は主に国語(読み書き)と数学(計算問題)が出されることが多く、適性検査は図形問題などが出される厚生労働省編一般職業適性検査(GATB)が用いられます。
一般的に、中学校レベルの読み書き、計算問題が課されることが多いようです。
職業訓練の面接対策のポイント
一般的には、筆記試験より面接のほうが重視されることが多いようです。
職業訓練に対する意欲や具体的な目標を明確に伝えることが重要です。
例えば、「この訓練を通じて〇〇のスキルを身につけ、将来は〇〇の仕事に就きたい」といった具体的なプランを話すと良いでしょう。
質問と回答例
職業訓練の面接では、多岐にわたる質問がされます。それぞれの質問に対する適切な回答を準備しておくことが合格の鍵です。以下に、代表的な質問事項と回答のポイントを紹介します。
- Q「前職の仕事内容と退職した理由は何ですか?」
- A
「前職では営業職として顧客対応やプレゼンテーションなどに従事していましたが、やむを得ず退職に至りました。
今後の再就職を考えるにあたり、年齢面からも営業職ではなく技術的なスキルを身につけて専門職に転向したいと考え、職業訓練で専門の知識と技術を学び再就職につなげたいと考えました。」
退職理由の説明については、こちらの記事で詳しく説明しています。
- Q「直近1年で長く休んだことはありますか?」
- A
「いいえ、特に長期で休むことはありませんでした。常に健康管理を意識しています。」
- Q「応募した訓練コースは何で知りましたか?」
- A
「ハローワークでの相談やインターネットの検索を通じて知りました。説明会にも参加し、詳細を確認しました。」
- Q「なぜこの職業訓練を受講したいのですか?」
- A
「この職業訓練を通じて、現代のITスキルを身につけたいと思っています。特に、プログラミングに興味があり、これを専門的に学ぶことで、将来的にはシステムエンジニアとして活躍したいと考えています。」
- Q「授業を受けるにあたって配慮してほしいことはありますか?」
- A
「特にありませんが、もし可能であれば、実践的な演習の時間を多く設けていただけると助かります。」
- Q「幅広い年代と一緒に授業を受けることは問題ないですか?」
- A
「全く問題ありません。多様なバックグラウンドを持つ方々と学ぶことで、新たな視点を得られると考えています。」
- Q「訓練を受けてからどのような仕事にいつ頃就きたいですか?」
- A
「訓練終了後には、システムエンジニアとしてすぐに就職したいと考えています。訓練受講中から業界研究は進め、訓練終了後は早期就職を目指します。」
- Q「これまで自分で決めたことでやり遂げたことは何ですか?」
- A
「自己学習でIT関連の資格を取得したことです。毎日1時間の勉強を続け、目標を達成しました。」
- Q「最後に自己PRをお願いします。また、何か質問はありますか?」
- A
「私は常に新しいことに挑戦し、目標を達成する力があります。この訓練を通じて、さらに成長したいと考えています。質問ですが、訓練中や訓練終了後の就職支援について教えていただけますか?」
- Q「前職を退職してからの就職活動はどうしていましたか?」
- A
「退職後は、求人サイトの登録やハローワークでの職業相談、各種就職セミナーの参加、訓練説明会への参加を行なってきました。」
服装
面接時の服装も意識したいポイントです。
職業訓練の面接で好印象を与えるためには、一般的には清潔感のあるビジネスカジュアルな服装が適しています。
具体的には、スーツやジャケット、シャツにスラックス、女性であればブラウスやスカートが望ましいです。
ポイント!未経験はダメな理由にならない
未経験であることを理由に不安を感じる必要はありません。
職業訓練は、未経験者が新たなスキルを習得し、再就職を目指すためのプログラムです。そのため、未経験であることを前向きに捉え、自分の学ぶ意欲や努力を強調しましょう。
職業訓練で必ず合格を目指したいなら、応募から選考会まで戦略的に進める事が必要です。
以下の記事を参考にしてみて下さい。
⇒ 職業訓練の合格対策を徹底解説!選考会での質問・回答例を豊富に掲載