職業訓練の申込手続きから必要書類・選考対策まで完全解説|失業保険と受講指示の要件もわかる初心者向けガイド
こんな悩みや困りごとはありませんか?
この記事は「職業訓練って何から始めればいいの?」という初心者の方でも安心して読めるよう、コース選びから申込手続き、必要書類、選考対策、失業保険や受講指示のポイントまでを、図解や表も交えて分かりやすく解説します。
職業訓練コースの調べ方
職業訓練には、ITや介護、事務、建築、美容などさまざまな分野のコースがあります。
自分に合ったコースを選ぶことが、再就職への第一歩です。
ハローワークインターネットサービス
ハローワークの公式サイトでは、「職業訓練検索」ページから、都道府県や分野、訓練期間、募集期間などの条件で検索ができます。気になるコースの詳細ページでは、開講時期、費用、学べる内容、取得できる資格などを確認できます。申し込み期間や開講日も掲載されているので、タイミングの把握にも便利です。
ハローワークでの相談
全国のハローワーク窓口では、職業訓練に詳しい専門スタッフが相談に応じてくれます。希望やキャリアの状況を話すことで、自分に合ったコースの紹介やパンフレット・チラシの受け取りが可能です。対面での相談は疑問点の解消に役立ちます。
説明会・見学会への参加
多くの訓練校が説明会や見学会を開催しています。説明会ではコース内容の詳細説明や講師の雰囲気、施設の様子を直接確認でき、不安や疑問を現場で解消できます。参加は無料で、電話やメールで予約が必要な場合もあるため、事前にハローワークへ問い合わせるとスムーズです。説明会に参加すると面接での印象が良くなることもあります。
都道府県の労働局ホームページ
地域ごとの最新の職業訓練コース情報や募集要項は、住んでいる地域の労働局ホームページで公開されています。例えば、東京労働局のサイトでは、東京都内のコース情報が定期的に更新されています。公式かつ最新の情報源として併用するのがおすすめです。
調べ方 | 詳細説明 |
---|---|
ハローワークインターネットサービス | ウェブ上で都道府県や分野、期間などの条件から検索可能。開講日や費用、学べる内容、資格など詳細も確認でき、申込期間も把握しやすい。 |
ハローワークでの相談 | 専門スタッフによる個別相談が可能。希望や経歴に応じたコース紹介や資料の入手もでき、対面ならではの細かな相談ができる。 |
説明会・見学会への参加 | 訓練校の現場を実際に体験できる機会。講師や施設の雰囲気を確認し、不明点を質問できる。参加は無料で面接の印象向上にもつながる。 |
東京都労働局ホームページ | 地域の最新募集情報や詳細なコース内容を公式に掲載。ハローワーク情報と合わせて最新で正確な情報収集ができる。 |
訓練コース選びのポイント
求職登録・職業訓練相談の流れ
STEP 1 |
コース検索 ハローワーク窓口またはWEB(ハローワークインターネットサービス)で希望コースを探す。 |
STEP 2 |
求職登録・職業訓練相談 ハローワークで求職登録(インターネット事前登録も可)。職員と面談し、希望や経歴を伝えてコースを相談。 |
STEP 3 |
訓練申込 ハローワークで受講申込書を受け取り、志望動機などを記入し提出。 |
STEP 4 |
説明会・案内会参加 訓練校でカリキュラムや就職支援などの説明を受け、校内見学も可能。 |
STEP 5 |
選考会(筆記・面接) 筆記試験や面接で志望動機・就職意欲などをアピール。 |
STEP 6 |
合格・入学手続き 合格通知後、ハローワークで「就職支援計画書」を交付。訓練校で入学手続き。 |
失業保険(雇用保険)手続きの流れ
STEP 1 |
必要書類の準備 雇用保険被保険者離職票1・2、本人確認書類、顔写真(マイナンバーカードがあれば不要)、預金通帳などを用意。 |
STEP 2 |
求職申込と書類提出 ハローワークで求職申込書と必要書類を提出。 |
STEP 3 |
受給資格の決定 就職の意思と能力を確認し、雇用保険受給資格を決定。 |
STEP 4 |
雇用保険受給者説明会 待期期間終了後に説明会へ参加し、手続きや制度の説明を受ける。 |
STEP 5 |
失業認定日 指定日にハローワークで求職活動報告・失業認定を受ける。 |
STEP 6 |
失業手当の受給 失業認定後、指定日に失業手当が支給される(給付制限がある場合は制限期間終了後)。 |
職業訓練と失業保険の関係・受講指示の要件
職業訓練を受けることで、失業保険の受給日数が訓練修了まで延長される大きなメリットがあります。
受講指示とは?
「受講指示」とは、ハローワークが職業訓練の必要性を認めて発行する制度で、これにより訓練を受ける場合、訓練校が失業認定手続きを代行してくれる仕組みです。
受講指示の具体的なメリット
訓練期間中は、失業認定や求職活動の報告などのためにハローワークへ定期的に通う必要がありません。訓練校が出席状況などをまとめてハローワークに報告してくれるため、手続きの手間や交通費が大幅に軽減されます。
ハローワークへの来所や書類提出の手間が省けるため、安心して訓練や資格取得の勉強に専念できます。特に長期間の訓練や通学距離が長い場合に大きなメリットです。
受講指示を受けている間は、訓練を受けていること自体が「求職活動」とみなされ、失業保険(基本手当)の受給資格が継続します。求職活動実績の提出も不要です。
条件を満たせば、訓練校への通学にかかる交通費(通所手当)や遠方から通う場合の寄宿手当なども支給される場合があります。
訓練校とハローワークが連携しているため、訓練中や修了後の就職活動もスムーズに進みやすくなります。

受講指示を受けるには、ハローワークの職員と相談し、訓練の必要性が認められる必要があります。
受講指示の要件
- 失業保険の受給資格があること
- 訓練開始時点で所定給付日数の一定残日数があること
給付制限の有無によって必要な残日数が異なります。例えば、給付制限ありの場合、所定給付日数の3分の2以上が必要な場合もあります。
所定給付日数 | 必要な支給残日数 (給付制限あり) | 必要な支給残日数 (給付制限なし) |
---|---|---|
90日 | 31日以上 | 1日以上 |
受講指示以外のケース
残日数が足りない場合や、失業保険がもらえない場合は「受講推薦」や「支援指示」となります。この場合、失業保険の延長や手続きの代行はありません。
求職者支援訓練は「支援指示」となり、職業訓練受講給付金(月約10万円)が支給される場合があります。
失業保険がもらえない場合の対応
雇用保険の加入期間不足や退職理由、手続きの遅れなどで失業保険が受給できない場合があります。
特定理由離職者の認定
病気や怪我、妊娠・出産、育児などで就職できない場合、「特定理由離職者」として認定されれば受給できる場合があります。医師の診断書や証明書が必要です。
離職票が届かない場合
会社から離職票が届かない場合は、在職証明書類を持参し、会社所在地のハローワークに相談します。
手続きが遅れた場合
退職日から1年以内に手続きをしないと受給期間が失効します。引っ越した場合は、新しい住所地のハローワークで手続きを引き継げます。
その他の支援制度
失業保険が受給できない場合、生活保護や職業訓練受講給付金、各種公的支援制度が利用できる場合もあります。
よくある質問(Q&A)
- Q訓練中に就職が決まったらどうなる?
- A
訓練中に就職が決まった場合は、すぐにハローワークへ連絡してください。
就職が決まることは全く問題なく、むしろ「早期就職」は職業訓練の大きな目的の一つなので、積極的に推奨されています。
多くの受講生は資格取得などを目指して最後まで受講しますが、途中で就職が決まって退校することも全く問題ありません。
なお、失業保険(基本手当)は**就職日の前日まで支給されます**。就職が決まったら、必ず就職日をハローワークに申告してください。
- Q訓練を途中でやめたい場合は?
- A
やむを得ない事情(就職、健康上の理由、家庭の事情など)で訓練を途中でやめたい場合は、まず訓練校やハローワークに相談してください。
正当な理由が認められれば、所定の手続きを経て訓練を終了できます。
※訓練受講料(自己負担分)がある場合、途中退校でも返還はありませんのでご注意ください。
- Q訓練終了後の就職活動はどうすればいい?
- A
訓練終了後も、訓練校やハローワークの就職支援を引き続き受けることができます。
訓練校では、履歴書・職務経歴書の書き方指導や面接対策、求人情報の提供など、実践的なサポートを行っています。
ハローワークでも、個別相談や求人紹介、応募書類の添削、面接練習など、幅広い就職支援サービスを継続して利用できます。
まとめ
職業訓練(離職者訓練)は、再就職を目指す方にとって非常に有効な制度です。
ハローワークでの求職登録から職業相談、失業保険の手続き、訓練の受講申込、選考会、合格後の手続きまで、しっかりと流れを押さえておくことが大切です。
特に「受講指示」で職業訓練を受けると、失業保険の受給日数が訓練修了まで延長され、手続きも簡素化されます。
失業保険が受給できない場合でも、職業訓練受講給付金や他の公的支援制度を活用できるので、ハローワークで積極的に相談してください。
あなたの再就職やキャリアアップを、職業訓練と失業保険がしっかりサポートします。
一歩ずつ、安心して進んでいきましょう。